お客さんとして初めて行ったとあるサービス業のお店で「夏休みはどこかに行かれましたか?」と、とてもありがちな質問を受けました。私にとってはあまりにも久しく聞いたことのない質問だったため、とても印象深かったのです。
そう、そうでした。世の中の人は盆休みに旅行したり故郷に帰ったりするものなんですよね。その場では答えに窮してしまった私の旅行観をブログにしてみようと思います。
私は旅行するのが好きではありません。その理由は、昔から宿泊をしていい思いをしたことがないからです。場所がどこであっても泊まる部屋には幽霊が複数待機しているため、寛ぐどころか夜も休めないからです。
どんな素敵な旅館もホテルも、私にとっては幽霊屋敷でしかないのです。宿泊した回数だけ不愉快な幽霊話が増えるだけなのです。
私が旅行しないことを気に掛けている旅行好きの両親は「ホテルの予約を取ったから泊っておいでよ」なんて具合に私を誘い出そうとしてくれます。
出張などで宿泊を自分で決める際にはセンサーを働かせて最悪の部屋は避けることもできるのですが、いわゆる人気の宿になるほど皆さんには見えない宿泊客大勢と同室で過ごすことになります。
そんな、鈍感であるかのように見せている両親と隣の部屋に泊まった時のこと、私は部屋の幽霊の夜通しの騒ぎで一睡もできないまま静かにしていたのですが、朝になってから母が「夜中にあんなに騒いじゃダメよー。一体何の騒ぎなの、友達でも呼んだ?」とか部屋に入ってきて言うのです。
私はテレビすらつけないでじっと耐え忍んでいましたから、母もちゃんと幽霊が認知できているようなのです。
また別の機会に、両親が「テレビ番組のパワースポット特集で見たホテルを予約したので一緒に泊まろうよ」と強引に誘われました。敷地内にパワースポットがあるなんて私はとても気乗りしませんが、数少ない親孝行の機会です(笑)。
着いたホテルのロビーで、仲居に連れられてホテルの奥のそのまた一番奥の角部屋を案内され鍵を渡されました。
「広い方の部屋を使いなさいよ」母は知ってか知らずかまたもや有無を言わさず私を極上の幽霊部屋に押し込みます。
騒々しく朝までに起こるあらゆる霊現象を確認していましたが、わかったことは、その部屋にだけ外に続く専用の階段があり、そこから忍び込むように女性の幽霊が出入りしているのです。つまりその部屋だけは、昔は表向きとは異なる用途で使われていたということ。
やっと朝が来てチェックアウトをする時、フロントの職員がその鍵を見たとたんに硬直し、青ざめた顔で「この鍵はどうされたのですか?」と言うので、「昨日、チェックインの際にあなた方が渡した鍵ですよ」と言いましたら「そ、そんなはずは…」と口ごもり奥に入って行きました。
ほどなくして戻って来て「この部屋に泊まられたのですね」と確認されたので、「はい。あの仲居さんが部屋まで案内してくれました」と答えましたら、その仲居さんは「え、私はご案内してません!」と逃げる始末。
すると奥から紫色の髪の毛を逆立てて血相を変えた女将が大きな伊勢海老を抱えて出てきました。
「これを手土産にしてください」と、白い発泡スチロールを氷と海老で満杯にして、半ば無理やり渡されたのでした。
後日、「是非とも私共にもう一度だけチャンスをください」という手紙の入った蟹が自宅に送られてきました。大変に気を良くした両親は、また泊まりに行ったそうです。
いったいどこからどこまでが霊現象なのかが私にもわからないくらいです(笑)。
こんなことばかりが続くのですから宿泊がイヤになるのもおわかりでしょう。自分のベッドで眠るのが一番です。睡眠中でも私は大声で誰かと対話をしていて夫を驚かせたりもしているみたいですが…笑 理解のある夫に感謝です。
それに、疲れてわざわざ肉体移動をしなくても、毎日のように異次元旅行をしているのです。ですから肉体で旅行することにリスクは感じても、あまり価値を感じなくなってしまったのかもしれません。
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